BsBsこうしょう

これは考えたことではなく思ったことです。

弱い人がオンサイトに参加すること

最初の記事がこうなるとは誰が予想しただろうか。

ただのクズです。こんにちは。

弱いのにオンサイトに出るとどうなるか

ブログの本題です。競プロ弱い人がうっかり本戦に出場してしまうとどうなるでしょうか?

(そもそも弱い人が本戦出られるのかみたいな疑問は後で説明します)

答えは非常に単純で、3時間から長い場合は8時間ほど、ひたすら虚無と向き合うことになります。まだ取っ掛かりのありそうな問題があるセットならマシな方で、おおよそのケースでは解いたこともなければ問題の意味を理解できないような文章に魂を抜かれます。

この感覚はろくに傾向対策をせずに難関大学の二次試験や模試に挑む感覚に最も近いと考えています。本来足りなくなるはずの時間が、余りまくるのです。競プロのオンサイトの場合には試験と同じように他の人が手を動かしている(=問題を解いている)様子が分かるだけでなく、誰がどの問題を解いたかや自分は全体の中でどのくらいの位置にいるかまでリアルタイムで分かってしまうので、もし問題に手も足も出なかった場合それはそれはたいへんな羞恥にさらされることになります。

したがって後述する疑問も引っくるめて結論を出すと、「弱くてもオンサイトには出られるが、強い精神力が必要」ということになります。コンテストの間じゅう自分を無力感や嫌悪感で責め続けても耐えられるような極めて強靭な精神力を持った人は、オンサイトに出る適性があるとも言えます。

ただ、コンテストが終わったあとに企業の人の話を聞くのは純粋にとても楽しいので、精神力について何か対策を立てられるのであれば積極的に出ていくべきだと思っています。

弱いのにオンサイトに出るには

本文はこれ以上書くことがないのでそこそこにして、ここから補足「そもそも弱い人が出られるのか」について話します。強運が必要になりますが不可能ではないと考えます(最近厳しそうなんだよなーこれなー)

弱い人は当たり前ですが正攻法では本戦出場はできないので、一計を案じる必要があります。といっても、そこまで難しくはないです。

予選の厳選

人材発掘を目的としている企業コンの本戦の場合、本戦出場資格者はかなり絞られることが多いです。たまたま強い人が自分と同年代に大量にいました~という統計的にありえない状態でもなければ、この絞られる枠が狭いほど弱い人にもチャンスが出てきます。勝機があるといってもそこから先は実力の世界なので問題セットが自分に有利なものであることを祈ってがんばりましょう。

絞られる枠は決まっているので絞られる枠の中で留年することにより機会を拡張しつつ精進することができます。活用できる人は活用していくべきでしょう。

コバンザメ戦法

ICPCで有効な戦法です。ただし有効な範囲は限られます(大学全体として競プロ弱いかつ強い人もしくはまあまあ強い人が1人以上いる)。

ICPCの予選で強い人とチームを組み、強い人に予選突破を一任します()

さすがにクズすぎて擁護できる要素が一切ありませんが、世の中見渡してみると同様の戦術で生きている人は相当いるので、歴史的にその有効さが確立されている作戦であるとは言えます。

試行回数を増やす

先と内容が被る部分がありますが、出られるチャンスがあるコンテストにはすべて出るべきです。1%しか当たらないガチャでも10回回せば9.5%くらいは当たります。コンテストによっては飛び賞も存在するので運次第で賞金獲得もできます。

終わりに代えて

ここまで読んだ人は、その心の中でさまざまな黒い思いが渦巻いているだろうと思います。すべてを推し量ることはできかねますが、その心中は察するに余りあります。

ですが、結論は変わりません。(もちろん虚無と戦う準備ができてからですが)そこに出られるチャンスがあるならベットしない理由はないし、もし運良く物にできたのならそれを躊躇する理由もありません。

謙虚を美徳とする日本人の言葉には、自分を大きく見せる人や出過ぎた態度を諌めるための厚顔無恥というものがあります。しかし謙虚であることがいいからといって何事も遠慮していては、よっぽど実力がある大人物でもない限りその先に待っているのはできない人の烙印です。どんなに高い実力であっても見せる機会がなければそれは無に等しく、どんなに実力が低くても出ることさえできれば他の普通に出た人と同じ肩書を得ることができます。企業の採用担当者に求職者ひとりひとりのレートを精査する時間はなく、また一般に採用担当者にレートを読む能力はないと考えるのが妥当です。完全情報ゲームでもなくしかも得た情報にバイアスがかかりまくる人間の認識能力においては、遠慮は悪い方向に働くことがほとんどです。厚顔無恥は自分のことを知らない人間が相手となる局面においては有利に働くことが多いのです。

いくら小狡いことをしたとしても、実力によって本戦に出場したということは事実として残ります。さすがにパフォーマンス茶色では本戦には行けません。こういった機会に賭けて問題セットガチャを狙うというのは厚顔無恥そのものですが、無い袖は振れないこともまた事実です。本戦に行けたということはそれなりの実力は保証されているということに変わりはないので、どうか自信を持ってください(特に最近問題もプレイヤーも強いから……)。

最後にものすごく根本的な問題として、「そこまでしてアルゴリズムで(もしくはITエンジニアとして)戦うことに意味があるのか?」ということについて。もしあなたがそれをやりたいと本当に思っているのなら、それに注力した結果すべてを失っても後悔しないというのなら、弱くても続けていくべきだと考えます。私はそこまで思わないのでほどほどにしか精進しないことにしました。

競プロを極めていく上で地頭は決して避けて通れない道です。そしてとても残念なことに地頭は生まれでほとんど決まってしまい、かつその後の環境によらず不変であることが行動遺伝学等の研究によりわかっています。地頭が悪い人が競プロをやろうとするととても苦労し、また尽きることのない無力感に苛まれることになります。

ですが、悲観することばかりではありません。たとえ医者に絶望的に向いてなかったとしても医者になる集団の中にいれば医者になることはできます。同様にありえないほど地頭がゴミクズだったとしても競プロをする集団の中にさえいればそれなりのレートや地位、もしくは職業に到達することはできます。もちろんその中で低い地位に甘んじることや他の人より多くの苦労を強いられることを受け入れなければならないので、その道は苦難に満ちたものとなります。決してベストな選択肢ではないでしょう。

人生は短いですから自分の幸福を最大化する経路を探索する時間はありません。せいぜい使えるのはO(1)です。つまるところ自分がどのような人生をたどったとしてもそれが最適な人生だったかを確かめるすべはないのです。したがって焦点はあなたが選んだ道に対して長期的にあなたは後悔しないか、それが最適であったと信じられるかといったところになります。これを自信をもっていえるのならいざその道を征かん――

正直言って出来ない人の競プロは辛いです。ですがそれを本当に好きだと思うのであればそれはまたひとつのえにしなのだと思います。あなたの進む方向に一筋の幸があらんことを願います。