BsBsこうしょう

これは考えたことではなく思ったことです。

RTA(Reading Time Attack)のススメ

※この文章は1450字ほどです。文庫本にして2ページ、3分以内に読み終わればまあまあ速いでしょう。

みなさま、RTAをご存知でしょうか? 原義のRTA(Real Time Attack)は主にゲームのスタートからクリアまでの時間を競うもので、本来対戦ゲームやスコア程度でしか競技として成立させることができなかったゲームを、(そのような競技性がないものも含めて)競技性を付加した画期的な遊び方です。

RTAはストリーミング配信環境が必須となるため、そのような通信環境が整ってきた近年著しい拡大を見せています。派生としてbiim式と呼ばれるゆっくり実況と融合した動画スタイルや登山口から登頂までの時間を競う(ついでにポケモンGOをする)RTA(リアル登山アタック)などが生まれました。

dic.nicovideo.jp

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今回は、それを読書に派生させようというお話です。

Reading Time Attack(以下RTA)とは

本稿ではRTA完結しているひとつのシリーズ(ジャンルは問わない)をすべて読み切るのにかかる時間を計測するものと定義します。1冊の本でも構わないのですが1冊だと読書スピードの平均値が出ないため除外しています。速読に近いですね。さすがに本家と異なり競技性はなくあくまで自分がどれくらいの難しい本をどのくらいのスピードで読めるようになったかを測る指標として用います。

だいたい量はひと続き平均的な文庫本20冊以上のものが望ましいです。また、刊行されているシリーズをすべて手に入れてからスタートしたほうがスムーズです。

以下にレギュレーションを記述します。ただし競技性はないので、自分に合わせて適宜読み替えてください

レギュレーション

  1. 計測開始日は第1巻を読み始めた日、計測終了日は最終巻を読み終えた日とする。

  2. 各巻を読み終えたあとは、必ず読書メーターにその感想を書く。

  3. 内容については理解するまで読む。場合によっては前の巻や章に戻ってもよい。

  4. 1日に当てる読書時間は、普段の読書時間と一致させるようにする。

レギュレーションを見れば分かる通り、いかに確実な理解をして読むかが肝要になってきます。そのうえで理解スピードの平均値を出すのがこのRTAの目的です。

RTAに適した本

基本的にはストーリー以外に理解の必要がない小説類がいいのではないかと思います。自分がベンチマークとして挙げるのは『ハリー・ポッター』シリーズ全巻で、これは6133ページあります。ハードカバーの大きさを考慮すると文庫本換算でおよそ12000~15000ページほどになるでしょう。文庫本は1冊300ページほどで構成されるものが多いので40冊~50冊ぐらいのシリーズを読むのが適している、と考えます。

しかし、それほどまで刊行数を誇る小説はそう多くありません。そこで読みやすさ・分量・完結していることの3点から私がおすすめしたいのはライトノベルと漫画です。漫画は文字数が少ないですが、普段漫画を読む人にとっては漫画でRTAをすることには意義があると考えます。ライトノベルは読みやすさに特化した小説群で、かつ種類が多くシリーズの続編が比較的早く出版され長いものが多いです。

もちろん自信のある方は全集や歴史書等でやってもいいですが(源氏物語など面白そうですね)、難しい本でやるにはそれだけの前提知識が求められるということは最後に但し書きしておきたいと思います。

みなさまも良き読書ライフを。