今週はジャズ週間だった。
- Miles Davis: Kind Of Blue
- Deke Ellington: Money Jungle
- Glenn Gould - A State of Wonder - The Complete Goldberg Variations 1955 & 1981
- おわりに(雑記)
Miles Davis: Kind Of Blue
マイルズ・デイヴィスとあるが、このアルバムにはビル・エヴァンスを含む複数のジャズのミュージシャンが参加している。
音楽としては非常に評価が難しいアルバムだ。なんせ曲が長い。今こうやって聞いてみると、ラウンジバーで流れている感じの割と普通の楽曲に聞こえてしまう。
というわけで、歴史をさらってみる。Kind Of Blueはモード・ジャズの傑作とされており、モード・ジャズはコードに捉われないアドリブを追求するためにコードに対するアドリブの制約を取っ払い、自由な旋律を希求したジャズのようだ。アドリブは和音で展開されることもあるため、素直に聞いている限り複雑なコード進行を伴っているように感じられる。モード・ジャズは60年代以降、ジャズの新しいスタンダードとして定着した。
しかし、ここまで聞いてもまだピンとこない人は多いだろう。それもそのはず、上で説明したテクニックは現代のポップスでも普遍的に(そこまで頻繁に見るというほどでもないけど)用いられているからだ。逆に言うと、そういった自由な旋律の礎を築いたのがこのころのモード・ジャズであると考えると、なかなか味わい深いものが見えてきそうである。
Deke Ellington: Money Jungle
デューク・エリントンはアメリカ人のジャズピアニスト。
推薦した人曰くデューク・エリントンは叩きつけるようなピアノの演奏が特徴だそうで、確かにピアノの音は全体的にタッチが強い構成になっている。クラシック弾きとしてはあまりお行儀の良くないとされている奏法だが、ここまで一貫していれば「そういう表現もありか」という気持ちになってくるから不思議だ。
叩きつけるような奏法ではあるが、低音域はそれなりに優しく弾いており、彼なりの哲学を感じる。そういったところが、力任せだけではない魅力を生み出しているのだろう。
最近はこういうメロディアスな、短調で少し寂しさを感じるナンバーが好みだ。大方、最近作っている曲に影響を受けているのだろうが。コメダ珈琲で流れているBGMとか聞いていても思うが、ジャズの人のコードの感覚を身に着けるにはいったい何をするのがいいんだろうね。
これとかも。
Glenn Gould - A State of Wonder - The Complete Goldberg Variations 1955 & 1981
グレン・グールドはカナダ人の作曲家・ピアニスト。
このCDはグレン・グールドによるバッハのゴルトベルク変奏曲、その2度の録音が収録されたアルバムだ。初回の録音の方は、彼のデビュー作であり当時非常に大きな話題を呼んだらしい。
聞いてみるとなるほどとなる。指の分離の完成度がえげつないほど高く、流れるような演奏。全ピアニストが目指すべき演奏のひとつに思える。先のデューク・エリントンと比較するとその違いははっきりしている。もちろんどちらがいいというわけではないが……。
なお、2回目の演奏が録音されたのは彼の死の1年前のことだそうだ。過去の演奏に触れていると、人の死の理不尽さを感じることがある。
非常に美しい演奏なので、クラシックに興味がある人はぜひ聞いてみてほしい。1曲1曲で抜き出すと短いし。
ずっと前ネットで読んだ「繰り返し指示を無視したバッハの伝説的な演奏」って多分グレン・グールドのことだな……。
おわりに(雑記)
誕生日を迎えた。去年はプレゼントが来なくてプレゼント文化の消滅を実感していたが、今年はたくさんもらえた。
一生分の本をくれてありがとう。このお礼は必ずします。
作曲をしているが、なかなか面白いコード進行が思いつかない。おそらく循環進行の曲を作ってトレーニングする必要がありそうだ。今後も頑張らなければならないことが多い。
とはいえ、思っていたよりは小さな規模になりそうなものの、今年の目標はある程度順調に消化できていく見通しが立った。iOSアプリ開発だけほったらかしているが。