BsBsこうしょう

これは考えたことではなく思ったことです。

7/3~7/7聞いた音楽

今週は何ともレビューがしづらい音楽をいくつか聞いていた。ブログ、難。。

Gabriel Fauré: Nocturnes, Barcarolles

ガブリエル・フォーレは、フランス人の作曲家(故人)。サロン音楽(今で言う流行してるだけで中身のない音楽)という謗りを受けながらも、独特の和声感覚を以て、ドビュッシーラヴェルに連なる印象主義音楽の実質的な祖となった。

フォーレは、今の自分の音楽体験に最も影響を与えた作曲家のひとりだ。フォーレの音楽に心惹かれ、自分は部屋でホコリを被っていたピアノをまた引っ張り出すことになった。その中でも生涯を通じて作曲したと言われるNocturneとBarcaolleはやはりお気に入りである。

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フォーレの特徴は半音階を駆使した浮遊感のあるコード進行にあると思っている。その中でもノクターンの4番が好きで、一時期弾こうとしていた*1。また、舟歌の2番も非常に分かりやすい曲調で好きだった。

ただ、これらはフォーレの作品の中では初期中の初期のものに当たり、フォーレの真の良さを引き出してはいない! と多くの参考資料は語っている。昔は「なにくそ!」と憤っていたが、今になってみると自分の音楽に対する感性の浅さを見透かされているようで少し悲しくなってしまった。

実際に今フォーレを聞き直してみると、やはりいい曲ばかりだ。ただ、先述した「半音階を駆使したコード進行」はフォーレの初期の作品の特徴であり、後期になるにしたがって半音階のような小手先のごまかしを超えた新しいハーモニーの表現を探っているのではないか、と感じられるようになった。

最近ショパンエチュードと向き合う日々が続いているが、ショパンエチュードが出た当初(つまり1800年代)、音楽人たちはそのコード進行の複雑さに大変驚いたと言われている。実際にそういった視点でショパンエチュードを改めて見直してみると、確かにフォーレの初期の作品に通じる半音階の和声進行が登場する場面も見られることが分かった。また、曲の構成もフォーレ初期の作品はショパンのそれに影響を受けて作られているだろうと思われるものがいくつも見つかった。結局のところ、音楽評論家の弁は正しかったわけだ。自分のフランス音楽趣味も、結局のところalter ショパンショパンの幻影を追い続けているだけなのかもしれない。

最後に、ノクターンの中で自分が最も気に入っている4番と、音楽評論家たちが大絶賛する6番を並べて筆を置くことにする。君はどちらの感性により近いだろうか?

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Evergreen Club Contemporary Gamelanを中心としたガムランの曲群

以前書いた記事でContemporary Gamelanについて軽く紹介したが、その続きを聞くことにした。

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Evergreen Clubはカナダ人のガムランを演奏するユニットのようだ。1983年結成であり、意外と歴史がある。

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前回はアルバムのうち『Solo』を聞いて良かったな~と思ったので、今回はそれ以外の曲を聞いてみることにした。

結果から言うと、あまり収穫はなかった。インスト曲ではなくボーカル曲中心のバンドのようで、インドネシアの歌をアレンジしたりすることもあるようだ。ただ、歌モノになると音高やリズム感の把握が難しくなって評価を決めるのが難しくなるんだよなぁ。単純にインスト曲の方が好きというのもあるが。

ただ、Contemporary Gamelanとしてのサウンドの魅力はボーカル曲であっても変わらない。むしろボーカル曲とインスト曲を両方やっているので、新しい音楽に触れるための間口が広がっていると解釈できるかもしれない。

一通り聞いた後、アルゴリズムに任せてSpotifyを流していたらガムランにフィーチャーされた曲を流してくれるようになった。助かる。

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まだまだ聞いていない音楽は多いので、このあたりはまだまだ深掘りしていくことになりそうだ。ガムランで使われるポリリズムは何かと参考になるので。

This Is 在日ファンク

在日ファンクは日本で活動するファンクのバンド。会社の人で自分とは異なる分野の音楽に詳しい人がおり、その人におすすめをいくつかいただいたので聞いてみることにした。

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ファンクは歴史的にはダンスのための音楽であり、現在のクラブの前身となった施設で演奏された。ダンスのための音楽の中でも16ビートであり、極めて鋭いビートを持つことが特徴である。しかし、ビート以外にファンクを制限するものはなく、編成やコードなどはジャズと同程度の自由さを持つ。個人的には、ファンクといえば金管がノリの良い特徴的なフレーズを奏でることが多い、というイメージがある。

youtu.be

様々な音楽の概要をさらいたい方におすすめなのが、TAKAFUMI PERCUSSION CHANNELの動画。時間を見つけて視聴しています。

とはいえファンクをしっかり履修していないので、在日ファンクの曲を聞いても「ファンクだなぁ」としかならないので困った。ノリやすい音楽ではあるが、縦ノリ系のダサいストリームではなく、ブラック・ミュージック由来の裏の裏に差し込まれる不規則に聞こえるフレーズが心地よい。

だが、歌詞が強すぎてそれどころではない、それが在日ファンクの音楽だ。とにかく歌詞の言葉が強すぎて音楽を聞くことに集中できない。ブラック・ミュージックと戦後黒人解放運動は切っても切れない関係にあることから、在日ファンクの強い歌詞も元ネタをリスペクトした結果の産物である可能性もあるが、個人的にはあまり気に入らなかった。歌詞がなければ普通にいい曲だったのに…

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割と落ちついているやつでもこんな感じ。

終わりに(雑記)

先週と今週で高額の買い物をしてしまい、気分が少し落ち込んでいる。とりあえず現在までに届いた物たちのチェックは終わり、見込み通りの働きをしてくれそうということが分かって一安心。ただ、まだまだ買う物が多いため、今月は節約した方が良さそうだ。はぁ…

ゲームはもう全くやる時間がないが、アニメは作業を流しながら見続けている。結構長いものでも実用に耐えることが分かったので、試しにプリキュアを1シーズン回して実証実験中…。プリキュアのようなアニメはおもちゃメーカーが商品を売り出すために、わざとらしいガジェットを多数映して子どもの購買意欲を煽るわけだが、大人になって見てみるとそういった作為的な面がよく分かるようになってくる。……とここまで考えたところで、今の我々大人も大きな括りでは漫画やゲームを売るためのアニメを喜んで見ていることに気づいた。結局子どもの頃から何も成長していない。こんな自分たちじゃ、物欲に支配される子どもを笑える立場じゃないな。

*1:いずれリベンジしたいね、今なら弾けるはずなので