BsBsこうしょう

これは考えたことではなく思ったことです。

バイキングに勝つ。

大食いアドベントカレンダー17日目の記事です。

小野原のカーネルバフェ行きたい。Badlylucky ( @small_rakkyoes )です。つたない文章ですが、お手柔らかにお願いします。

みなさんバイキング(ビュッフェスタイルのレストラン)は好きですか? 私は大好きです。好きなものを好きなだけ食べられる、食欲の極致のひとつなのではないか、と思います。

ところで、バイキング中にまだ途中なのにお腹がいっぱいになってしまったり、想像していたように食べ進められなかったことはありませんか? ……なるほど、ある。……とてももったいない!

本日は、そのような悲劇を起こしにくい食べ方(のひとつ)、を紹介いたします。

バイキングにおいて、私はバランス型を好んで使っています。バランス型は「すべてのメニューを満遍なく食べる」「与えられた時間のほぼ全てを食べることに費やす」ということに重きを置く流派です。もちろん使い手なので、時間を無駄なく使えるバランス型が最も優れていると思っているし、だからここでもバランス型を紹介します。

バランス型の思想

バランス型は、下記のような目標を立ててバイキングに臨みます。

  • (目をつけた)すべてのメニューを時間内に制覇する

  • 肉と野菜をバランス良く摂取する

  • 時間中常に一定のペースで食べ続ける

まず、「好きなものが多すぎて選べないよー」という人は、バランス型が適していると言えます。また、健康志向の人にもバランス型は素晴らしい効果を見せるでしょう。好き嫌いがはっきり分かれている人は、特化型など別の戦略を採用したほうが、高いパフォーマンスを出せるかもしれません。

3点目が代表的ですが、バランス型はバイキングの中でも、 ビュッフェスタイル でその強みを発揮します。逆に、オーダーバイキングでは相当慣れていないと、注文の波で持ち前のペースが乱され、力を出し切れないことも多いです。初見のオーダーバイキングでは、厳しい戦いを強いられます。

では、順番にポイントを押さえていきましょう。

1. メニューを制覇する

これは好みなので、人によっては採用しなくてもいいポリシーかもしれません。バランス型は、バイキングは「色んな食べ物を一度に食べる場所」と捉えているので、なるべく多くの種類を少なく食べることに重きを置きます。

その中でも、「カレーは食べない (No Currry Chart)」「デザートは食べない (Hors d'oeuvre Only)」など、細かい戦略があります。好みに合わせて選びましょう。

また、どんなに好きなものであっても、 最初は小さく盛る ことも重要です。好きなものは、2周目からたくさん食べればよいのです。

多くのメニューを捌く必要があるため、食べる種類の見定めも必須です。下見、案内を待つ時間、座席に案内される道中をしっかり有効活用して、必要な戦力を計算します。

2. バランス良く取る

バランス型において肝となるのは、一定のペースで食べ続けることです。そして一定のペースで食べ続けるアセンを支えるのが、 肉と野菜、温と冷のバランスを取った食事 です。

好きなものだけを食べ続けていると、胃がすぐに疲れてしまいます。結果、好きなものも満足に食べられません。1サイクル(後述)のバランスを適切に保つこと、それが結果的に「全メニュー食べる」と「好きなものを食べる」の両立に繋がります。

バランスとはすなわち、肉と野菜(油と水分)、そして温と冷のことです。油で胃もたれを起こしてしまっては戦線が崩壊しますし、胃が必要以上に冷えると食べるものも食べられません。前者はともかく、後者は見落としがちです。

飲み物も、もちろんこの中に入ります。冷たいジュースばかり飲んでいませんか? 温かい飲み物を入れることで、気分転換にもなりますよ。もちろん、必要以上に冷やしてしまう氷はご法度です。

3. 一定のペースで食べ続ける

バランス型の基本戦術は、「一定のペースで食べ続ける」というものです。一定のペースで食べ続けることには、以下のようなメリットがあります。

  • 急速にお腹を膨らませずに済む

  • 満腹中枢をごまかせる

  • 時間を測ることで、自分ができることの見通しが立つ

特に重要なのは3番目です。1プレートを取ってきてから食べ終えるまでを「1サイクル」と呼称しますが、このサイクルの時間(ラップタイム)を測ることで、「自分があと何サイクル回せるか」を正確に把握できます。同時に1プレートでどのエリアを制圧できたか、を調べることで、「自分があと何サイクルで目標を達成できるか」をも掌握できます。

バランス型はラップタイムとサイクル数を把握することで、 全メニュー、という枠に囚われない柔軟なゲームメイクを可能にしています 。「全メニューは到底間に合わないから、今から好きなものだけ食べる」という路線変更も自由自在です。どんなに不利な状況からでも、自分のやりたいことをある程度は達成できるため、満足度が高くなりやすいです。

しかし、このポリシーを貫くのは容易ならざることだ、と思う方もいらっしゃるかもしれません。大丈夫です。ほとんどの人にとって、バイキングの目標は「なるべく多く食べる」ことではないはずです。1サイクルは必ずしも自分が実現できる最速である必要はなく、量・時間ともに選択できる幅があります。バランス型のやり方は、人の数だけある、と言えるでしょう。

バランス型の運用

ここまでで、バランス型の素晴らしさは、十分に伝わったのではないかと思います。では、実際にバランス型を運用したらどうなるかを見てみましょう。

入店~1サイクル目

入店と同時に、時間を確認します。バイキングはサブスクリプションではないため、 時間を測って制限時間より少し前に出るのは基本的なマナー です。流派は関係ありません。

案内中の時間で、エリアの見極めを行います。基本的にビュッフェスタイルでは、同じ種類のものは同じ場所に固まって配置される傾向があるので、好きなものがある位置を見極めつつ、「その店の推しがある場所」と「全体の広さ」を把握します。

席についたら、1サイクルをスタートします。1サイクル目は、端から順番に取っていけばいいでしょう。野菜が少ない場合は、適宜調整。量については、一口大か二口大、小さすぎるくらいでだいたいちょうどよいです。その代わりなるべく多くの種類を盛ります。

スープも忘れずに取るように。スープは野菜かつ温という貴重な属性です。意外と種類に凝っているケースもあり、穴場。

1サイクル終了

1サイクルが終了したら、入店からこれまでの時間(ラップタイム)を計測します。ラップタイムをもとに、回すことができるサイクル数を計算します。私の場合はデザートを別枠で計算しているので、その分も考慮しています。例えば、ラップタイム17分 / 制限時間90分の場合、4サイクル+デザートという具合です。デザートは料理と比べてラップタイムが短い傾向があるので、意識して測る必要はないという判断です。

また、悲運にも全サイクル回しても、制覇に間に合わないという判断を下す必要があるかもしれません。そのときは潔く撤退、戦略の見直しを行います。私は気にせず食べ進めますが、好きなものを食べる2周目以降の方針にシフトするのも全然アリです。

1サイクルで1プレートを仕上げるのは先述の通りですが、すべての種類の料理を1サイクルで1つ回さなければならない、というわけではありません。飲み物でそれをしてしまうと、詰まってしまいます。なので、飲み物やスープ、ご飯物は2サイクルで1つ回すという調整が必要になることもあります。特に飲み物についてそうですが、サイクルに合わせるのはあくまで理想論で、実際にはサイクルの途中に気分転換で取りに行っても構いません。

全メニュー踏破後

おめでとうございます。目標を達成できました。1周して良かったものを食べる2周目に入りましょう。目をつけていなかったが意外とおいしかった! というものを見つけやすいのも、バランス型の良さです。その店だけの出会いを大切にしましょう。

全メニュー食べることが目標だからと言って、1周目からデザートを食べることはありません。デザートは適切に時間を取れば、余裕を持って食べ切れるケースがほとんどです。だからデザートを後回しにしてもいいですが、デザートを食べきれず悔いを残さないよう、 下見はきちんと行いましょう

終わりに

バイキングに臨む際、多くの人が「何も考えていない」ということを知るたびに、毎度驚かされます。所詮遊びですから、食べる量を最大化することはありません。でも、楽しみを最大化するのは、とても大事なことだと考えています。この記事をきっかけに、皆様に良いバイキング生活が訪れましたら、無上の喜びです。

補足

  • バランス型の思想は、バイキング以外でも役に立ちます。例えば、サイゼリヤ2000円チャレンジをするときなど。

togetter.com

  • オーダーバイキングの場合、「常に注文を出し続ける」ことが重要になります。注文を出している間に来た料理を食べるという具合です。この間が分からないから、慣れていないと不利なんですね。

  • 極端に種類が少ないバイキングの場合、単純なパワーゲームとなります。しかし、リズムよく食べていくことを意識すれば、高パフォーマンスが望めるでしょう。

  • メニューが一定の法則で入れ替わる形式のバイキングに遭遇したとき、バランス型は崩壊します。大抵負けます。

  • 共通する思想に、「他で手に入るものの優先度は低い」というものがあります。他で同じような味のものが、安価で食べられる場合、わざわざバイキングで食べる必要がありますか? ということですね。私も長らくこの教えを守り、No Curry Chartを通してきたのですが、最近すたみな太郎 / しゃぶ葉愛好家によるアレンジの猛攻を受けています。

  • スイーツバイキングは、バランスを保つことが難しい難敵です。みんなそれを分かっているので、ご飯物の回転率も高く、結果チャート破壊のパワープレイを強いられることがよくあります。