BsBsこうしょう

これは考えたことではなく思ったことです。

6/5~6/9聞いた音楽

今週も引き続きインターネットの音楽を探る。といってもネタ尽きてきた。持ち駒少なすぎ。。困る。。。

ブルーアーカイブ -Blue Archive-

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ブルーアーカイブは、中国のゲーム開発会社(本社は日本)*1Yosterのスマートフォンゲーム。

インターネットでは飛ぶ鳥を落とす勢いの人気なのだが、身の回りでは誰もやってる人間を聞かない奇妙なゲームだ。人気のジャンルも適切にキャッチアップしないと流行遅れになってしまうという危機感は、そういったものに疎い人間なら常に持っておきたい。

このプレイリストは有志が作成した非公式のもので、OST vol.3までのBGMと少量のキャラソンが収録されている。ジャケ絵とブルーアーカイブTLから判断する限り、ストーリーの最新章までのサウンドトラックを網羅できている……と思う。いかんせんやってないのでまるで分からん。

キャラソンこの5倍はあると思っていたが、まだまだ全然少なかったのが一番のびっくりだった。まあ本邦の声優ドル売り路線も良し悪しだし、このあたりはお国柄の違いが顕著に出るポイントなのではないか。

BGMはボカロ系列、インターネット音楽系列から引っ張っているのだろうか? 全体的にキャラクターが立ちすぎているというか、主張しすぎな音楽が多かった。BGMらしくはないのだが、個人的にはたとえBGMであってもこれくらい作り込まれている方が好みではある。

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ただ少し好みの曲調とは違ったようで、お気に入りに入っている曲はBGM然としたものばかりだった。後出しじゃんけんになってしまうが、例えばこの『Lemonade Diary』も穏やかな曲なのだが、後半のメロディラインの暴れ具合がBGMにしてはやりすぎ、凝りすぎということは強調しておきたい。

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東アジアの人間、雑にペンタとピアノ入れとけば勝手に感動しがち。自分もそれにやられました。

キャラソンは狙って流行遅れなように作られており、こちらもびっくりした。こういうのが流行るんか…。開発もゼロ年代のコンテンツを研究して作ったと公言しているし、おそらく今の30歳くらいにウケるように全てが計算されて作られているのだろう。これを依頼された作曲家や作詞家がどのようなオーダーを受けたかを思うと、ちょっと気の毒ではある。曲も少し古臭いのは正直納得いってなくて、歌詞だけ今みたいな感じにして、曲はバリバリ現代調で作れなかったんかとは思った。

明日方舟OST1 ~ 4

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4つあるので1つだけ。

明日方舟(アークナイツ)は、Yosterが開発・運営するスマートフォンゲーム。ブルーアーカイブと同じ運営会社のゲームだが、プレイヤーはそこまで多くない印象だ。ただ多くないながらも、ブルーアーカイブとは違って知り合いがプレイしていたり、ご縁があるゲームな気がする。

アークナイツが不人気ゲームである(語弊)ことはSpotifyにも表れており、非公式のまとめプレイリストもよく分からない基準で網羅されてないものしかない。しかし、中国語タイトルで調べることで本家のOSTを発見したので、これを聞くことができた。いわゆるキャラソンはないのかな? タイアップ企画の曲はありそうだったが、キャラソンではなさそうだった。

アークナイツとブルーアーカイブは対照的なゲームなのかな~なんて思っているが、その対照度合いはOSTにも表れている。単曲としての完成度を求めるブルーアーカイブに対して、アークナイツはあくまでゲームの背景に徹するBGM然とした音楽がほとんどだった。ただ、ノベルゲームのBGMっぽいわけではなく、全体的にはアクションの穏やかなシーンでのBGMや映画音楽という印象を受けた。あと全体的にワウがかかったアレみたいな感じ。うまく言えないけど。

ブルーアーカイブが日本を徹底的に研究してデザインされているのに対し、アークナイツは中国のモチーフがかなり残っていることが特徴的だ。しかし、その音楽に中国のモチーフを感じなかったのは非常に残念である。チャイナらしい芸術は本場のチャイナでは求められていない*2ということを某氏から聞いたが、それは本当ということなのだろうか?

今日の項目の全体に言えることだが、耳慣れない音楽が多く、評価したりお気に入りになったりするものがない。まだまだ自分の鑑賞者としての素養の伸びしろが残っていることを感じる。

Relect

Relectは日本人のDJ、作曲家。一応Beatmania IIDXに楽曲を提供したりしているのだが、DJ文脈でないとほとんど知られていないのではないだろうか。かく言う自分も全然知らないです。DJ文脈詳しくないので。。

ない袖は振れないということで、知らないジャンルについては語れない。ああDJの音楽だなぁと思いながら聞いていました。

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DJとしては中堅というか、少なくともここ2, 3年の作家ではないので、こういう古い作品もあったりする。これとかはっきり時代が古いことが分かって懐かしい気持ちになっちゃうんですよね。笑える。

1曲だけというのはアレなので、いちばん再生数伸ばしてそうなやつも貼っておく。

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This Is Laur

Laurは日本人の作曲家。HARDCORE TANO*Cの所属が表す通り、ハードコアを得意とする作曲家の1人。

実はものすごい多作家で手が速いコンポーザーでもあり、個人名義でアルバムを4作出している。そのためSpotifyによるまとめが存在するので、それを聞いた。

Laurといえばゴリゴリのハードコア、プロらしい妥協のない音作り……だが、そこよりも気になったのは堅実に作られている裏のコード進行やアルペジオだった。いや、少し間違いがあった。あまりにも堅実すぎ、ハードコアにしては音のお行儀が良すぎる。

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初期のこの曲は特に分かりやすいが、音作りの現代的な触感を捨象して聞けば、音楽としては非常に古典的。はっきり言って、バロック期の作品と言っても違和感がないほどだ。もちろんこの曲がそれを狙って作られた可能性も否定できないのだが、Laurの作品はこのようなアンティークなモチーフが執拗に登場する。

ここで一般的な話をしておくと、音楽に対するスタイルが古典的であることは、必ずしも否定的なニュアンスを持つわけではない。それは音楽の歴史を考えれば分かるのだが、例えばクラシックは依然として音楽界の中で権威として君臨しているし、その中でもバッハが拓いた古い対位法はいまだに意向を保っている。

はっきり言って、古い音楽の技法は狙って身につけないと身につかない。狙ってやろうとしないとできないことが何回も登場するということは、高度に専門的な教育を受けているなと推察した。

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答え合わせのためにWikipediaを当たったところ、2歳からピアノ教育、洗足音楽大学進学で多分当たり。これだけではまだなんとも言えないが、音大でかなり古典的な教育の薫陶を受けたのではないかと推測できる。ピアノの先生がめっちゃ厳しかった可能性もあるけど。

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ハードコア・シンドロームっぽさがあって笑ってしまった。

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ピアノ好きなので、ピアノ独奏曲があるとそれだけでお気に入りになってしまう。

黒魔

黒魔は、日本人の作曲家。割とチップチューンが得意と言われやすい作曲家なイメージ。

黒魔といえば、多分『Don't Fight the Music』の人と言えば最も通りが良いのだが、音楽家的には中2マリオからのシンデレラストーリーを駆け上がった努力の人としての印象が強い。作曲家を志す者なら必ず来歴に触れておきたい作曲家のひとりだ。

黒魔はSpotifyにある作品が少なくてこれと言った傾向を判定することができないが、アルバムの『愛を喜ぶ街』では全体的にLo-fiによった曲調となっている*3。本人のチップチューン多用傾向ともマッチしていると思う。

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『愛を喜ぶ街』収録ではないが、これとかかなりそれっぽい。音ゲーに収録されている曲しか知らない層が聞くと、あまりのイメージの違いにとても驚くのではないだろうか。

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だからピアノ独奏曲には弱いんだってば。楽器の王様と呼ばれていること、音楽の授業で必ず触れることになる身近な音という特徴から、色んな人のピアノ音楽が聞けるのは幸せなことだ。

前項のLaurと比べると黒魔の音楽は対照的で非常に良い比較になる。黒魔の音楽を聞いた後でLaurの音楽を聞くと、私が言った「Laurの音楽はお行儀が良すぎる」という言葉の真意がよく分かると思う。音楽の才能にあふれた日本人が普通の感性のまま音楽を作ると、普通は黒魔のような*4音楽になると思う*5。感性のままに作ると、理論は多少ないがしろにされるというわけ。逆に相当矯正しないと、感性のままに作って理論が守られることはない。その点でLaurの異質さが際立つと考えている。

譚盾 Eight Memories in Watercolor

譚盾は中国人の作曲家。中国のみならず世界的に著名な作曲家のひとりだが、寡聞にして存じ上げませんでした。。。知識も経験も何もかも足りていない。

ピアノ曲紹介botというbotに半年くらい前からフォローされているのだが、「結構色々聞いてきたからそろそろ知ってる曲増えてきたのでは?」と思ってツイート見たら知らない曲ばかりで泣いてしまった。アゼルバイジャンとかトルコとか、本当にどこから仕入れるんだよ。だがしかし、おかげで次に聞くべき作曲家の収集がはかどる。今後もありがたく利用させていただくとしよう。bot作成者がひとりか複数人かは知らないが、自分と同じような音楽好きがいてすごいと思う。

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Eight Memories in Watercolorはそんな譚盾が作曲したピアノ独奏曲集。自分は中国のピアノ曲も割と好きです、日本とすごい似ているんだけど微妙に違うんだよね。上手く言語化できないけど。

おそらくペンタトニックスケールを使っているというのは変わらないのだけど、いったいどこに中国らしさを顕現させる要素があるんだろうなぁ。曲調としては、21世紀以降に日本人が作曲した現代音楽とペンタトニックスケール(日本音楽)の融合形に割と似ている。というか、日本人が逆に影響を受けたんじゃないかとすら思える。時期的にはこちらの方が前なので…

まだ全然聞けてないので、譚盾は来週も聞くことになると思う。なのでレビューはあっさりめに。

おわりに(雑記)

今週は聞いた項目の数がてんこもりで、それぞれにレビューをつけることを考慮する必要があったので、手間のことを考えて金曜日は音楽を聞くことができなかった。それでは本末転倒のように思われるかもしれないが、聞いた音楽のことを記憶にとどめておくためには必要な犠牲である。今まで漫然と音楽を聞いて、所在が分からなくなってしまった名曲は山ほど存在するから。

ただ、せめてThis Isが構成される程度(50曲, 時間だと4~5時間)くらいは曲数が欲しいところである。十数曲聞いた程度じゃ、まだ全然分からないよ~というのが本音だし、聞くものの数が増えるとそれだけここを書くことも増えてしまう。……これは割と本末転倒かもしれないな。

今週は結構ピアノを頑張った。基礎練1セットをBPM135でこなせるようになったが、B durとb mollの最高音から折り返す左手の一音Dだけどうしても外してしまうという割と致命的な弱点を抱えていることが判明した。生まれ持った運動神経だから、努力でどうにかできるとは思えんのだよなぁ。まあやるしかないのでやるけど。

Op10-4については、牛の歩みで進めている。この方向で合っているのかは一度ピアノの先生に尋ねてみたいところだが、面倒がってやっていない。しかし、Op10-1とOp10-12をBPM100でこなせるのに、Op10-4はBPM60程度でもちっともだいじょばないのは常軌を逸しているように思う。

*1:ややこしい

*2:非常に大雑把で語弊があるのは認める

*3:ちなみに、書いてる本人はLo-fiを1曲も聞いたことがないらしいです。

*4:大幅な劣化版になるが

*5:もっと才能がない人が音楽を作ると、ペンタトニックスケールになる。